現代魔女が語る本当にあった怖い話【第二夜】

※ノンフィクション
これは魔女蜜猫が体験したことを記しております。
ホラーが苦手な方はご遠慮ください。
またこちらを動画化した作業用BGMも御座いますのでお楽しみください。


6、揺れる女

私が社会人になり車を運転するようになってからの話です。
自営業なので昼夜問わず色々な所に行くのですが、近所の交差点が気になります。
なぜならそこには決まって同じ女性が佇んでいるからです。

ここは普通の交差点なのですが、国道なので割と交通量が多いのです。
朝や夕方は通勤の車が多いですし、運送トラックやダンプもよく通ります。
それなのに車道寄りに立っているので、最初見た時は轢かれるのではと慌てました。
しかしよく見るとその女性はうつむいた様子で顔を見せないので、私はすぐにこの世の者ではないと思いました。
また直立不動という訳ではなく、まるで海藻が波に揺られるかのように前後左右に揺れているのです。
ゆらー、ゆらー、ゆらー、と体全体が揺れるのですが、それは生身の人間では再現できないような揺れ方でした。
私はその揺れを見ると気持ち悪く感じるので、この交差点を通る時はできるだけ見ないようにしています。

ある日テレビを見ていたら、この交差点で子供が交通事故に巻き込まれて死亡したというニュースが流れました。
私は吃驚してニュースを注視しました。
ニュースキャスターは、交差点に進入したトラックが子供に気付かず巻き込まれてしまったことを説明していました。
そして一緒に流れている映像に、私はさらに吃驚しました。

子供が事故に遭った現場となったであろう場所には花やお菓子が供えられていたのですが、そこは例のあの女性が佇んでいる場所だったのです。
そして、映像越しでもわかります。
その女性はまだそこで、ゆらー、ゆらー、ゆらーと揺れているのです。
まるで誰かを誘っているかのように。


7、学校にいる

私が小学5年生の時の話です。
私が当時通っていた学校は割と新しい学校で、いわゆる学校の怪談などの噂はないような所でしたが、私には気になる場所がありました。

それは階段の踊り場から見える校舎裏の木の陰です。
そこに決まって女性が佇んでいるのです。
校舎裏は主要道路に面しており、登下校時以外は生徒も通らないような場所です。
主要道路といっても田舎ですからほとんどの人は車で移動するため通行人が決して多いわけではありません。
まして5分から10分ほどの休み時間の間に生徒や先生があんな所に行くとも考えられません。

何よりその女性というのがどこかあか抜けた雰囲気の、いわゆるギャルのような茶髪の若いお姉さんなのです。
そんな人が小学校に用事があるわけでもないだろうし、隣は大学がありますが学生の雰囲気でもありません。
そしていつも同じ服を着ていますし、いつも同じ姿勢でこちらを見ているのです。
私が気になって見る時、必ず目が合います。
そんな人間はいないだろうと思い、この人はこの世の者ではないと確信していますが、他の人には見えないようでした。
悪さをするわけでもないので、私も放っておいています。

その後大人になって、同じ場所を訪れた時彼女は未だにそこにいました。
もうあれから20年も経っています。
彼女は何を思ってそこに佇んでいるのでしょう?
おそらくそこで自殺したか、浮遊霊としてそこに留まる者なのだと思います。
そういう者は何も語らないので何もわかりません。
時間が止まったかのようにそこにいるだけなのです。


8、バーンニク

よく水辺には霊が集まるといいますが、家の中では風呂場が不浄だといいます。
私が小学生の頃、祖母に教えて貰った話では、風呂場には小さな精霊が棲みつくのだそうです。
祖母はそれをバーンニクと呼んでいました。

バーンニクは姿は見えません。
しかし体を洗ったりしているとふいに鏡に映り込んだり、気配を感じたりします。
たまに物音を立てて悪霊を追い払い、背中に風を当てて浄化してくれるのだそうです。

バーンニクは守り神なので清潔にしていれば悪さはしません。
しかし風呂場が汚い家は、バーンニクがいたずらをして家をどんどん湿らせるのだそうです。
私はその意味がわからず祖母に聞いたことがあります。

「蛇口をひねってちろちろと水を出して、その土地を水でいっぱいにするのさ。そうするとね、何もかも流れるようになるんだよ。」
と祖母は言いました。
「なんでも?」
私は問いました。
「お金や、地位や名誉、人脈も、なんでもさ。人の心もね。」

幼かった頃は想像がつきませんでしたが、今では事の重大さがわかります。
呪術の中には井戸や水道管などに細工をして家主を困らせる術が存在するからです。
もし風呂場の蛇口を閉めても、ちろちろと水滴が垂れるようであれば気を付けてください。
バーンニクが怒っているのかもしれません。


9、Y地区の生首

これは今でも体験することなのですが、夏の夜、Y地区に行くと空を飛ぶ生首がいます。
生首自体は珍しいものではありません。
私自身、何度もよく見ていましたし、割とどこにでもいます。

しかしこのY地区の生首は、大きな落ち武者の兜なのです。
それも、一体だけではなく大勢で飛び交っています。

私が社会人に成り立ての頃、Y地区に住む友人宅で飲み会をしようということになり、友人の部屋で何人か集まったことがあります。
友人は音楽仲間で、当時ロックが流行りだったこともあり一晩中演ろうぜということになりました。
田舎なので深夜に多少騒いでも、隣の家までが遠いので誰も気にしないのです。
さすがにギターをアンプに繋ぐことはしませんでしたが、少し煩くしていたのは確かです。

友人の部屋は二階の一間で、音楽以外には殺風景な印象でした。
北側と東側にある窓にカーテンもないので、灯りをつけた部屋が窓ガラスに反射して、自分たちの姿を映し出しています。

深夜2時になろうという時、友人たちはまだまだ音楽談義に夢中だったのですが、私は酒の酔いもありだんだんと眠くなってきました。
うつらうつらと寝ぼけていたところ、ふと窓を見上げると、そこに真っ赤な鬼のような顔の絵が映し出されました。

最初はまるで歌舞伎のような、日本画や浮世絵のような、鮮やかな絵だと思いました。
きっと部屋にいる誰かがそんな絵を持ってはしゃいでいるんだろうと考えました。
夜に明かりをつけていたら、窓ガラスに室内が反射して鏡のようになるからです。
K君あたりが、和物が好きだし、CDのジャケットを自慢しているのかもしれない。と。

しかし次の瞬間、そうではないことに気付いてしまったのです…。
その顔は窓ガラスの向こう側でどんどん増えていきました。
何個も、何個も、同じような顔が次々と現れて、こちらをじーっと見ているのです。
よく見れば、それは赤い甲冑、赤い仮面を被った武者の首から上だけの姿なのでした。
頭の境界線の部分は赤からえんじ色に濁ったような靄をまとっていました。

仮面の奥の表情は見えませんが、私は感じました。
この首たちは痛みで苦しんでいるのだと。
きっと悲痛な唸り声をあげているのだと。

突然、「ヒャァーッ」という声が隣にいたE子から聞こえてきました。
そこで私も眠りこけた意識を現実に戻されたのですが、E子は窓を注視したまま、がくがくと震えています。
そこにいた全員がE子とその先の窓を交互に見ました。
しかし私とE子以外はそれが見えていないのです。
私はE子をなだめ、窓と反対の方を向かせて、押入れのふすまを外して窓に立てかけました。
窓の外から中へ入ってくることはなさそうだったので、見えなければ、相手にしなければいいと思ったからです。

案の定、作戦は功を制しました。
私たちはそのまま疲れ果てて翌日の昼まで寝てしまったのですが、何も変化はなく、生首も消えていました。
後からE子と話したら、このY地区は昔、落ち武者が隠れた神社があり、そこでは石塚を立てて供養しているそうです。
しかしその事実を知る人は地区の中でも少なくなっているとのこと。
供養してもなお、この先あの生首はずっと苦しみの中でこの地を彷徨うのでしょう。
突如異様な者に遭遇しても、私たちは気付かないふりをしてやり過ごすことしかできません。
だってその苦しみを代わってあげることなんてできないのですから。


10、図書館の柳

私が小学生の頃、K町の図書館へ行くのが好きでした。
夏休みに出掛けるといえば、エアコンのきいた涼しい図書館は絶好の場所でした。
様々な本があることも、勉強机があることも、そこに来る人を眺めるのも好きでした。
特に図書館の入り口に植えられた柳の木には複数のベンチが備え付けられており、私はよくここで友達と一緒におしゃべりしたり、アイスを食べたりしました。
図書館内では話し声や飲食が禁止だからです。

ある日、K町の夏祭りの帰り道、図書館の通りを歩いているとその大きな柳の木がざわざわと揺れました。
その日は風もなく蒸し暑い、夏の盛りの熱帯夜でした。
それなのに、ざわざわ、ざわざわ、と枝同士がざわめくような音がするのです。

最初は柳の木に動物でもいるのだろうと思っていました。
動物が動いたので枝葉が揺れて音が出たのです。
しかし一緒に帰っている母親はその音にはまったく気付かない様子でした。
「ねえ、木に何かいるよね?音がするよね?」
と、母に聞いてみると、母は、
「やだ、何も聞こえないよ。怖いこと言わないで。」と怯えるので、私はそれ以上は言いませんでした。
もしかしたらあの木には何かいるのかもしれない。
そう思い、いつものように気にしないことにしました。

それから何日か経った夏休みのある日、私は図書館の前の通りで事故を起こしてしまいました。
事故といっても、自転車に乗っていた私がなぜか突然転んで、通行人のおじいさんにぶつかってしまったのです。
おじいさんは怪我もなく無事で私はすごくほっとしてひたすら謝り続けていた記憶があるのですが、おじいさんも私のことを心配してくれて、怪我のないことを確認しました。

ところがです。
私の自転車がめちゃくちゃに壊れていたのです。
ハンドルとサドルは90度曲がっていて、チェーンも切れて、タイヤはぐにょりと曲がっていたのです。
一体どういう転び方をしたらこうなるのかと不思議に思いました。
まるで車に轢かれて何メートルか引き摺られるとか、跳ね飛ばされたらこうなるかのような跡です。

自転車を自宅まで運ぼうにも動かなそうで、私は途方に暮れてベンチに座り込みました。
はあ、と溜め息をつくと、頭上で柳の木がざわざわ、ざわざわと音を立てました。
ミーンミーンという蝉の音の方が煩いはずなのに、その枝葉のすれるような音は確かに耳に届いたのです。

「もしかして柳の木が守ってくれたのかな?」

柳の木の下は温かい愛に包まれているかのようでした。
柳は女性や母という意味合いがあると、魔女になってから知りました。
この木は大きい木なので、昔々から図書館に来る人、特に子供を守ってきたのかもしれません。
その音は、今でも多くの子供が聞こえるみたいです。
子供って純粋なのかもしれませんね。


魔術ブレスレットのページへ!
↑魔女の作る魔術ブレスレットで願いを叶える!↑

ページ先頭へ

お支払い方法について

詳細はこちら
お支払い方法をご利用頂けます。 paypal

配送・送料について

詳細はこちら

配送業者:クロネコヤマト

注文合計金額が1万円以上で送料無料。
9,999円以下の場合は、地域により送料がかかってまいります。
配達時間帯は、以下の時間帯にてご指定頂けます。天候や交通事情により、ご指定の時間帯にお届けできない場合もございます。

配送方法

店舗情報について

詳細はこちら

黒猫魔術店
〒998-0842
山形県酒田市亀ヶ崎3-9-3
13:00〜20:00 水曜定休
霊峰出羽三山の麓、東北初の西洋魔術オカルト専門店。

黒猫魔術店ショップイメージ width=