現代魔女が語る本当にあった怖い話【第三夜】

※ノンフィクション
これは魔女蜜猫が体験したことを記しております。
ホラーが苦手な方はご遠慮ください。
またこちらを動画化した作業用BGMも御座いますのでお楽しみください。


11、海の手

これはY海で今でも遭遇する恐怖です。
観光名所としても有名なこの海は、陸地から少し離れたところに小さな離島があります。
橋を渡れば簡単に行くことができます。
離島は小さく、島の周りをぐるっと歩いても5分程です。
中央は山になっており、石段を登った先には小さな無人の神社があります。
鳥居やお社も古く、小さな離島とはいえその山は木々が鬱蒼と茂り薄暗い雰囲気でした。

また、歩けば海、登れば山ということで若者たちのちょっとしたデートスポットにもなっていました。
夜の橋を渡り離島を歩いて巡るというだけで不気味さがスリルに変わり、恐怖とドキドキが隣り合わせだからです。

私も子供の頃に一度その離島へ行ったことがあります。
その時は昼間でしたが、山の頂上へ続く石段の先、神社の方に沢山の霊が集まっていたので何となく近付いてはいけない気がしていました。
星や波の音を聴くために夜にY海に行くことがありますが、私は橋を越えた先には行けません。
何か理由があるわけではありませんが、何となくそう感じるのです。

ある夜、Y海の浜辺に座ってぼんやりしていると、ある若いカップルが橋を渡って行くのが見えました。
女の子のきゃあきゃあはしゃいでる声も聞こえたので、空気を読んで退散しようと腰を上げた時、橋の下の海が光っているのです。
光は異様な白さでした。
懐中電灯や街頭などの光なら少し黄色味がかっていますが、その光は真っ白で、まるで海の中から上へと立ち上る湯気のようでした。

よく見ると、それは黒い海面から無数に伸びる真っ白い手なのでした。
イソギンチャクのように無数に、ゆらゆらと伸びる手。
それは変幻自在で伸縮もでき、橋の欄干まで伸びるものもありました。

私は身の毛がよだつほどの恐怖を感じました。
こんな時は目に見えない危険なものどもと遭遇して、威圧によって全身の毛穴が開き切っています。
例えるなら蛇に睨まれたカエルです。

そんな中、先ほどのカップルは橋を渡って行くところを見ると、その異様なものに気付いていないようです。
止めるべきかどうかと迷いながら、ふと海の方を見てみると、島から少し離れたところに白い人が立っているのです。
いえ、そこは明らかに海の上なので、人であるはずがありません。
それは、橋を渡るカップルの方を向いて、じっとしていましたがやがてスーッと橋のたもとに移動していきました。
離島の入り口にそれが立つと、明らかな威圧感が伝わってきます。
ここへ来るな、とでも言いたげな怒りの雰囲気でした。

さすがにこれはまずいと思い、声をかけようとした時、カップルの女の子がキャーッと悲鳴をあげて走り戻ってきました。
その後、男の子も駆け寄り戻ってきました。
私はほっと安堵し、自分も帰ろうとしたところで、はっとしました。
女の子の足首に白い手がまだ繋がっていたのです。
私はどうすることもできず、その場を後にしました。

自然界にはこういった霊が沢山います。
特に海は、昔々からそこで亡くなった人や、流れ着くものの霊が多いのです。
そんな者に惑わされないよう、住処を荒らさず、そっとしておくことが一番です。


12、五叉路

昔から、道が交差するところには災いや悪霊が棲むといいます。
どこにでもある十字路交差点は勿論ですが、三叉路や五叉路などの変形交差点もまた然りです。

S市にある五叉路を初めて訪れた時、私はゾッとしたのを覚えています。
駅から続く道なりにその五叉路はあるのですが、他の交差点よりもやけに道幅が広く広場のようになっています。
信号機や車線も分かりづらいので、慣れないうちは通るのに苦労しました。

ある夜、その交差点を抜けて駅へ行こうとしたことがありました。
私が赤信号で待っていると、対向車線から車ではないような黒っぽい影が来るのが見えました。
不思議に思って見てみると、それは大きな黒い馬でした。
夜ですし、道路を馬が走るには少し異様だったのですぐにこの世のものではないと思いました。

馬は駅の方から来て、五叉路の正面にあたる壁看板の中へすり抜けて行きました。
その奥の家屋やアパートも何かが沢山集まっているような感じがしていたので、もしかしたらこの道路は通り道なのかもしれません。


13、羽が虫

私が小学1年生の頃、下校途中にはいつも虫を追いかけていました。
虫といっても実際の虫ではなく、空中をキラキラ光って飛んでいく得体の知れないものです。
様々な形をしていて、長いものもあれば、足がムカデのように沢山付いていたり、ゼリー状のものだったり、羽が何枚もついていたりしました。

面白いことに虫は、ある区域に入ると多くなり、そこから出ると少なくなりました。
その区域は研究のため木々や草花が植えられた施設で、幼心に虫は植物があるところに多いのだと思いました。
こんなことをして遊んでいるので、友達が怖がって逃げてしまい、下校中はひとりが多かったのですが、虫は悪い感じがしないのでひとりでも危険はなかったのです。

手を伸ばすと、まるでトンボが止まるように虫も止まりました。
自分の後をついてくる虫もいました。
ある日、そうして家までついてきた虫を見て祖母は、「おや、羽が虫つれてるね。」と言いました。
「羽が虫?」
「妖精みたいなものだよ。」
私は衝撃を受けました。
この虫が妖精?もっと可愛らしいものを想像していたからです。
人間の妖精のイメージとのギャップで夢を壊された私でしたが、羽が虫は大人しく優しいのでその後もしばらく遊んでいた記憶があります。

今でも山の中で羽が虫を見ることができます。
しかし街中ではもう随分前から見かけることはなくなりました。
緑が少なくなったからでしょうか。
私の通学路にあったその区域もマンションが建ちました。
少しずつ街中から羽が虫が消えていくと何か影響が出るのでは?と少し心配しています。


14、さがりもん

私が小学1年生の頃の話です。
羽が虫を追いかけて遊んでいる私に祖母が、「ちょっとこっち来て見れ。」と言いました。
祖母と一緒に歩いて向かうと、そこは近所の空き屋で薄気味悪い場所なのです。
私は少し嫌な感じがする場所なので、通らなければいけない時は早歩きで素通りしていました。

「あそこに下がっているものが見えるか?」
と、祖母は視線で合図しました。
視線の先には背の高い大きな木があり、てっぺんに白い布が、ひら〜、ひら〜と風にたなびいています。 「白いのが見える。」と私は言いました。
祖母は、「そうか、見えるか。」と言い、踵を返しました。
私もそれについて歩き、帰りの道すがらで祖母は注意深く言ったのです。

「あれは、さがりもんといって、あれを見つけたら絶対に手を出したり見つめたりしてはいけないよ。
そんなことしたらどこかへ連れていかれるからね。」
祖母の表情が強張っているのが幼い私でも理解できました。
私はただ頷きました。
「さがりもんは、あんなやつだけじゃない。布のようなものもあれば、細い糸のようなものもいる。とにかく枝や天井から下がっているものを掴んだり、じっと見てはいけないよ。」
「わかった。ばあちゃんは追い払えないの?」
「ばあちゃんも、ばあちゃんから教えてもらった、そうやって代々きているからね。
悪いやつじゃないのさ。
やつらにはやつらの自由があるのさ。放っとけるなら放っとく。関わらないことが一番なんだよ。」

祖母は、私が羽が虫に夢中で、さがりもんを触らないかヒヤヒヤしていたのだと思います。
実際それまでにも何度か見かけたことがありましたし、さがりもんからは嫌な気配は感じないので、祖母の忠告がなければ触っていたかもしれません。
その後、空き家のさがりもんはいなくなっていたので、自分で行動できる者なのだと知りました。

さがりもんは色々なところで見かけますが知らないふりをして気にしないようにしています。
さがりもんを掴んだことがないので、もし掴んだらその後どうなるかはわかりません。
でもきっと、昔から受け継がれているものは守った方が身のためだと思っています。


15、家守主

私の家には昔から、大きな蛙が棲みついています。
とにかく岩くらい大きい、茶色いヒキガエルなのですが、家族全員が何度か目撃しています。
私の家の庭には、祖母が植えた榊の木や南天や蔦、魔女のハーブや樹木が植えられています。
自然栽培をしているので手をかけているわけではありませんが、逆に住み心地がいいのかもしれません。

祖母はこのヒキガエルをたいそう気に入り、家の守り神だと言っていました。
家に住み付けばハエや蛾を食べたりしてくれるからです。
また両生類や爬虫類は長生きをするので、縁起担ぎとしても良かったのだと思います。

私もこのヒキガエルを一度見たことがあります。
仕事で夜中に帰って来た時に、玄関前に堂々と座っていたのです!
家族の話には聞いていたので、これがあのカエルか!と思いました。
なんせとてつもなく大きかったのです!

しかしカエルの方は、私に気付かれるとサッと庭の方へ逃げて行きました。
大きいカエルなのに素早い動きだと感動したものでした。

あれから何年も経ちますが、我が家にはまだあのカエルはいるのでしょうか。
祖母は、「特別に祀ったりしてはいけないよ。自然が一番だから、お供えなんてしてはいけないからね。」と言っていました。
私たちにできることは、庭をなるべく自然な状態に維持しておくことです。
人間の勝手で薬などを撒かずに、春夏秋冬を共に生きるだけなのです。


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