魔法の強化と魔除けの樹、ローワン(ナナカマド)
魔除けの木であり、邪悪な魔法を守る力が与えられた樹、ローワン(ナナカマド)…。
ここではケルト樹木のパワーを取り入れた魔術儀式を行ったり、オガムやルーンで読み解いたりする人のための「ローワン」の意味をまとめていきます。
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ローワンの植物学的知識
- ローワン(Rowan)は、バラ科ナナカマド属の落葉高木。
- 樹高は成長すると5~15mになることが多い。
- 葉は奇数羽状複葉・互生で、5~8cmの長さ。鋸歯。
- 樹皮はなめらか。
- 花は複散房花序の白い小さな花で、花期は5~7月。
- 果実はナシ状果。赤い1cm程の球形。果期は9~10月。
- 熟した実は鳥が食べたり、摘んでジャムなどに加工することができますが毒素が含まれ苦いため個人の加工には向きません。(大量に摂取しなければ大丈夫)
- 実にはソルビン酸が含まれるため冬でも腐りません。
- ナナカマドにはセイヨウナナカマド(European Rowan)やアメリカナナカマドなど様々な品種があります。
山中でのローワンの見分け方
- 初夏には白い花が咲き、アブや蜂が近くを飛んでいるのを多く見かけます。
- 秋に葉が赤くなり、赤い小さな実が密集してつくので分かりやすいです。
- 葉が小さく密集した形に見えるので、山では見つけやすいです。
- 樹皮には独特の模様と臭気があります。
- 実は山よりも街路樹で見かけることも多いです。
- ヨーロッパに広く分布し寒い山中によく見られる樹木です。
ローワンに関する神話
インボルクのサバトでは火の女神ブリジットに捧げられます。
ローワンの実は「神の食べ物」とされ、人間たちは祖先に敬意と名誉を与えた時にしか口にしてはならないと言われました。
北欧神話の雷神トールがローワンに助けられたとされています。
なぜなら、雷の強大な力はほとんどローワンを攻撃しないので、「幸運の木」として愛されました。
北欧神話で、ルーン文字が刻まれた棒はローワンの棒でした。
ヘーゼルの棒は水脈と金鉱を占うために使用されたからです。
ドルイド達は儀式場を囲むようにして植えたとされます。
なぜならローワンの煙は霊を呼び出すと言われるからです。
ローワンに関する魔術的能力
- 魔除け、魔法の強化、幸運
7回かまどに入れても燃えないということが由来となっています。(しかし俗説であり、実際の薪は良く燃えます)
北欧などでは実の模様が五芒星に見えることから魔除けとされます。
特にスコットランドでは魔術的なものを避けるお守りとして使われました。
また船の一部として板を使うことで水難除けのお守りとされました。
枝は霊的な力を高めるとして魔女のワンドや占いのスティックに使われます。
その為「ウィッチウッド」とも呼ばれ、サシェやインセンスにも用いられます。
直観力を高め、ヒーリング、守護、成功や権力の魔術に使われます。
逆にローワンは、望んでいないものを生活の中から追放する魔術にも使われます。
またエレメントや生き物、霊的ガイドやハイヤーセルフなどを召喚する際にも用いられたそうです。
ローワンについて書かれた英国の本の多くには最後に「知恵を持って使い方を間違うことなかれ」と書かれています。
ローワンを使う者は敬意をはらって正しく魔術を行うようにという戒めなのかもしれません。
ローワンのオガム占いの意味
オガムでは【L】Luis「魔法からの守護・感覚のコントロール」といった意味を持ちます。
ローワンに関するハーブ学的能力
厳しい環境でも、燃える生命力のような赤い実をつけることから「輝く炎・魔除けの松明」と呼ばれました。
その実が生命力を与えるとされジャムやゼリー等の伝統的な料理として伝わっています。
イギリスでは、実や枝をサシェにして持ち歩くことで魔除け、健康、ヒーリングになると信じられてきました。
現在でも牛舎にはローワンのスプレーが設置され、ローワンの枝でできた柵で囲われた牧場があるそうです。
対照表・ローワン
- ローワン…ナナカマド。魔除け、魔法の強化、幸運
- 属性…火属性
- 守護惑星…火星、月
- 陰陽…陽性
- オガム…Luis(ルイス)魔法からの守護・五感のコントロール
- 木の暦…第2の月(12月)
- 階層…冥界
- 階級…農民
- 出生…1月21日~2月17日(スターチャイルドより)/4月1日~10日、10月4日~13日
※ケルトの木の暦には諸説あります。
ローワン(ナナカマド)の動画
ローワン樹木の販売