天然のお香はとっても貴重!
今宵は樹脂お香の種類や意味、魔術的能力や歴史の話。
様々な種類が沢山ありどれを選んだらいいのかわからない分野、お香。
奥深いお香の意味を知りながら魔術にぜひ取り入れてみましょう。
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サンダルウッド(白檀/チャンダン)
- 月
- 金星
- 水
- 陰
瞑想には絶対これよ!と先生が言っていました。
日本では仏壇仏具に加工され、そのままでも芳香を放つ木材。
雌雄異株で周りに植物がないと生育しない→栽培困難のためインドでは輸出規制されています。
主成分サンタロールが殺菌・爽快感があることから瞑想に良いのかも。
チャクラのバランスをとり、そして魂が瞑想の中で最高の霊的面に到達することを可能にすると言われています。
ラベンダーと合わせて焚くとスピリットを呼び出すとされます。
降霊術やエスバットの儀式(新月や満月の儀式など)で焚きます。
守護・ヒーリングの魔術的能力があるとされ、木屑に願いを書いて大釜で燃やし瞑想をするという儀式が残っています。
サンダルウッドで彫られた置物を祭壇に飾ったり、アクセサリーを身に着けると悪魔やネガティブな波動から身を護ると言われています。
また木屑をミルでパウダー状にして撒くと結界が作られると言われます。
カバラのセフィロト上のホドと関係が深いと言われます。
宝石では、ダイヤモンド、エメラルド、真珠、ターコイズと特に関係が深いと言われます。
フランキンセンス(乳香)
- 太陽
- 火
- 陽
浄化のハーブで、お香では魔術具や空間浄化など、幅広く浄化の意で使用されます。
精油では成分が異なり、興奮、抗菌といわれ、ワンドに塗ったりして使用されます。
樹木から分泌される樹脂が固まったもの。
栽培が困難な上、乱獲によって今後減少すると考えられています…
古代エジプトでは、夜明けとともに太陽神ラーを称えるために焼かれました。
カトリックやその他の多くの宗教的伝統においても依然として広く使われています。
多くの宗教的文献からフランキンセンスを調べると、実に数多くの歴史や伝説が残っています。
神聖なガムの香りは霊的なバイブレーションを持ち、人々を高揚させ、浄化の意味をもちます。
悪魔祓い、浄化・聖別、自我を高め規律する魔術に使われています。
ただしフランキンセンスの使用は術者が日常生活において精神的にバランスが取れている場合に有益です。
なぜなら自意識だけでなく環境や宇宙に対しての敬意と尊敬の感覚を生み出すからです。
フランキンセンスのお香を作るためにその樹皮にナイフを入れる際、そのナイフは特別なものが使用されました。
フランキンセンスは涙型に乾燥するからです。
もしフランキンセンスがなかったら代用としてはローズマリーが良い、と様々な文献に書かれています。
どちらも直感力、洞察力を鋭敏にし、元気になり、瞑想しやすくなります。
ミルラ(没薬)
- 月
- 水
- 陰
樹木から分泌される樹脂が固まったもの。
鎮静、鎮痛薬、死体の防腐にも使用されました。
聖書の東方三賢者がキリスト誕生の際に送った贈り物「黄金、乳香、没薬」です。
なのでフランキンセンスと共に浄化によく使われます。
古代エジプトでは、ミルラは正午に太陽神ラーやイシスへの供物として燃やされました。
ギリシャではアドニスの聖なる香とみなされました。
ヒーリングや守護、悪魔祓い、浄化の魔術に使用されます。
サシェに他のガムと一緒に入れておくとお守りになります。
ただミルラはあまりにも濃厚で強いバイブレーションがあるため、一般的にミルラ単体では焚かれません。
フランキンセンスなど他のガムと一緒に焚きます。
そのためミルラは通常保護と癒しの香の成分として使われています。
ミルラの素晴らしいところは、他のブレンドされた香の能力を高めることです。
ミルラは霊的な気付きや、本質への理解を助けるための知恵を授けるでしょう。
それはただの知恵ではなく、それを知るからこその幸福(真理)を授けます。
また宇宙の真理である陰陽、生と死、喜びと悲しみの謎へアクセスできます。
愛する人を失った者、虐待を受けた者への悲しみを癒す力があると言われます。
ミルラの塗油をキャンドルに塗って灯したり、ミルラを水で薄めたものを魔法円に使用するのもひとつの手です。
タロットでは運命の輪とコートカードのクイーン、小アルカナの3に対応しています。
ムスク(麝香)
古くは鹿の内臓を乾燥させた香料であり生薬。鹿が絶滅危惧種なので今では化学合成されています。
甘い香りは興奮、人を引き付ける術に使われます。
成分的に動物性油脂でホルモン系ですので、人が嗅ぐと汗のようにフェロモンを感じるのかも?
別物ですがムスクルート(ジャコウ根)というハーブも愛情を引き寄せる魔術に使われます。
持ち歩き、インセンスにし、煎じた汁で入浴するのだそうです。
本来のムスクとムスクルートの関係性は定かではありませんが、ムスクもこのようにして体に香りを染み込ませていたのだとしたら…相手を魅了するフェロモンは動物系の汗や皮脂の香りなのかもしれませんね。
ベンゾイン(安息香)
- 太陽
- 風
- 陽
ベンゾインは、エゴノキ科安息香樹の樹脂を固めたものです。
ただし国や地域によってベンゾインとは異なるものを指す場合もあるので解釈が少し難しいお香です。
その香りはバニラのように甘く、最高級品は安息香と呼ばれます。
香りを長持ちさせるために他のお香と混ぜたりして使うこともできます。
サイアムベンゾインはアフロディーテに関連があると言われ、金星のハーブで愛、繁栄、霊的な瞑想に使われます。
またシナモンやバジルなどの金運系ハーブとブレンドして焚くと集客・ファン獲得のインセンスになります。
スマトラベンゾインは掃除や浄化など清めの魔術に使われます。
ヘカテの香や黒魔術に使用されるストラックスの代用にもなります。
ベンゾインはウィッカの一年の車輪を理解すること、つまり自然の変化のサイクルを理解することにおいて有益です。
集中力を高め、アストラルへの移行や、精神をアストラルに投影することを助けます。
欲望・強欲(マモン)に苦しんでいる心を寛大にし、開くことができます。
それは逆に成功をもたらすことでしょう。
ベンゾインの香を焚くと、自分自身のエネルギーとその環境を中和し安らぎをもたらすからです。
タロットでは小アルカナの7、カップのスートを理解するために使われます。
カンファ―(龍脳)
- 月
- 水
- 陰
昔はフタバガキ科の常緑高木から採取していましたが、現在ではクスノキから採取しています。
カンファ―とは、クスノキ中の白色の結晶粒のことです。
身近なところでは墨汁の香り、龍角散の香りなどでしょうか。
また防虫効果が優れることから様々なものに使用されています。
性欲を抑えるために寝室に置いたり、離別を願う魔術に使用されます。
予言を導くことから占いのインセンスにもよく使われます。
アンバー(琥珀)
植物が固まって地下に埋もれ、樹脂になったもの。
黄金色が特徴。
ドラゴンズブラッド
主にドラセナから採れる樹脂が固まったもの。
ドラセナはまたの名をドラゴンツリーとも呼ばれます。
フルーティーな香りがする赤褐色の樹脂香です。
ドラゴンズブラッドはその血のような粉末から、魔術書に記載する「血液」の代用としても使われました。
また自家製の魔術インクの成分としても使用されました。
そのインクで行う「書く魔術」では内容が視覚化されるだけでなく将来に渡り宇宙に伝え、時間の概念をも凌駕しました。
ドラゴンズブラッドの防御力は英雄を無敵にし、否定的なエネルギーを中和すると考えられていました。
タロットでは恋人と皇帝のカードに対応すると考えられています。
アガーウッド(沈香/伽羅)
アガーウッドからとれる樹脂を固めたもの。
ただし全ての木から採れるわけではなく、環境によっても左右されるため昔からとても貴重な樹脂香です。
その中でも最高級品は伽羅と呼ばれます。
また沈香の特徴として、熱すると香りがたちます。
現在アガーウッドはワシントン条約の規制対象になっています。
天然香が減っている現状
お分かりいただけるでしょうか…
天然の香料は年々減る一方でいずれはなくなる可能性だってあります。
天然香が伽羅香のようにわずかで何十万円もするようなことになるかも…
化学合成お香はそんなに悪いのか?
絶滅危惧や栽培困難を救うにはどうすればいいのか?
など色々考えさせられますね。
私たちはお香の未来を担っているのです!!