今宵は、日本の祭りと西洋魔術の関係性の話。
魔女は自然崇拝をするペイガンですが、日本人も昔から八百万の神々とともに生活をしてきました。
現代の祭もその名残があり、魔女のサバトと同じような意味を持っています。
実は日本人の身近にある、西洋の魔術の共通点が沢山あります!
魔女の自然崇拝
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先に魔女の話なのですが、私たち魔女にとって一番大事にしなければいけない思想というのは「自然崇拝」です。
つまり、これは信仰ということになるのですが、魔女の信じるものは唯一神でも宗教でもなく、 私たちを取り巻いている自然であり、環境であり、宇宙であり、人なのです。
魔女(魔術)の考え方では、私たち、ひとりも、みんなも、動物も、植物も、地球も、宇宙も、 原子レベルではすべて同じ成分で構成されており、故に同一のエネルギーを持つ、「一体物」であります。
人体の組成(70kgの体重のヒト)
- 酸素45.5kg
- 炭素12.6kg
- 水素7kg
- 窒素2.1kg
- カルシウム1.05kg
- リン0.7kg
- イオウ175g
- カリウム140g
- ナトリウム105g
- 塩素105g
- マグネシウム35g
- 鉄6g
- フッ素3g
- ケイ素2g
- 亜鉛2g
- ストロンチウム320mg
- ルビジウム320mg
- 鉛120mg
- マンガン100mg
- 銅80mg
- アルミニウム60mg
- カドミウム50mg
- スズ20mg
- バリウム17mg
- 水銀13mg
- セレン12mg
- ヨウ素11mg
- モリブデン10mg
- ニッケル10mg
- ホウ素10mg
- クロム2mg
- ヒ素2mg
- コバルト1.5mg
- バナジウム0.2mg
(ウィキペディアより)
こちらは人体の組成表ですが、こちらは地球や大地、鉱物の組成にも含まれるものです。
人間と地球や宇宙を比べれば、体積等の大小はあれど構成物が同じであれば、エネルギーも一緒。
エネルギーとは、私たちの細胞ひとつ取り出した時に陽子と電子があってプラスとマイナスの電気がありますから、エネルギー体ですよね?
目には見えませんが電気信号で筋肉等動いています。地球や宇宙の活動もこれに同じです。
ですから私たち魔女は、一体物である地球や宇宙、同類である命ある同志(動植物)をことさら大切にします。
黒猫魔術店では日本魔女協会を立ち上げておりますが、その中の教えでは「できうる限りの殺生はしない」とあります。
魔女蜜猫自身は虫も大丈夫ですし、基本的に四つ足の動物は食べません。
ストイックになる必要はないのですが、私は食事もできるだけ無駄に摂らないようにしています。
(必要最低限、生きていけるだけの分量で、感謝をして戴くという意味です、誤解なきよう)
日頃から季節の廻りに感謝する
こうして魔女たちは日々を過ごしながら、特に季節の移り変わる節目の時期に「サバト」という儀式を行います。
サバトは、春分、夏至、秋分、冬至、その丁度間に1度ずつ、1年で計8回行われます。
その多くが、その季節にその土地で採れたものを祭壇にお供えし、感謝の祈りを捧げます。
それは私たちが命あり、生かされているのは自然からの恩恵に他ならず、 自然に感謝を捧げることでそれを祝ってきたからです。
命が受け継がれ、また自然崇拝の魔女の教えを後世に残すために。
もっと繁栄や、子宝に恵まれるように。
願わくば後世ではもっともっと豊かになれるように。
そんな思いが込められています。
日本の祭に似ている魔女の思想
日本の祭りの思想に、魔女の思想は酷似しております。
それもそのはず。元々日本も自然崇拝の国でした。
卑弥呼が治める時代から女性はシャーマンでしたし、狩猟民族から農耕民族へ移り変わり、 自然が荒れれば農作物も荒れ、儀式といって様々な祭事が行われてきたのです。
私に言わせれば、魔女と一緒やん。て思うのですよね。
日本人の心には元々神道があって、八百万の神(唯一神ではない、沢山の自然の神)信仰がありました。
朝起きればお天道様に手を合わせたり、いただきますってお米に手を合わせたり。
日本人が生きていくためには、自然と一体になって共存していかなければいけなかったのです。
そうしないと食べ物が採れませんからね。
だから自然の神様に生かされてるんだって感謝を捧げるために、祭りを行ってきました。
例えば秋祭りは、西洋でいうところの秋分であるメイボンというサバトです。
または10月31日のハロウィン(収穫祭)、これもサバトです。(正確にはソーウィンといいます)
田植え前の春祭りは大地の女神と太陽の男神が恋をして芽吹くオスタラ(春分)やベルテーン(ヴァルプルギス)です。
夏祭りは血気盛んな太陽神の恵みに感謝するミッドサマー(夏至)やルーナサです。
冬祭りは、眠った太陽神と大地の女神を待ちわびるもの。ユール(冬至)やインボルグです。
祭の踊りにも神聖な意味がある
祭りと言えば、盆踊りなどの地域ならではの踊りがありますよね。
魔女蜜猫も、よさこいを踊りますので祭りの御囃子を聞くと血がたぎります。
といういか日本人だったらあれを聞くと何故かワクワクするのではないかしら?
よさこいで言えば、「らっせーらー」という掛け声があるのですが、この「ラー」というのは太陽神ラーのことだとする説があります。
宗教論争になるので深く言及はしませんが、日本とユダヤは繋がっているようなので、 ラー神も古き時代に踊りとして日本に入ってきたのかもしれませんよね。
八百万の神は自然崇拝
まつり、たてまつり、神(自然)と一体となりたい、そんな気持ち。
いい神様(例:座敷童)も悪い神様(例:貧乏神)も、ぜんぶいいとする日本人は、神様自体に感謝をささげる謙虚さがあると思うなあ。
ロシアのバーンニク
魔女が多いロシアやウルグアイの伝承では、風呂場は不浄として精霊バーンニクが住み着くといわれます。
バーンニクは森に棲む悪魔や妖怪を風呂に招き入れたり、未来予知をしたりします。
また湖にはルサールカという女幽霊がいるという伝承があり、しかしこれも豊穣神だと言われます。(実際に祭りも行われています)
現地のスラヴ人にとって、森・川・沼などは不安や疑惑と共に恐れられる地形であり、恵みだったのでしょうね。
魔女の世界での神様も様々な面を持っていて、人々を導いて教えをほどこすのだと思いますね。
男根信仰と女陰信仰
日本では男根信仰や女陰信仰も深く根付き、それに関連したご神体や祭りも多く残っています。
これは多産・豊穣をもたらす呪術的な力で信仰していた歴史があります。
魔女の世界でもこれは多くみられます。
今でもそれを模したキャンドルでの魔術や、精液や膣液や経血を使ってヴードゥー呪術(日本では藁人形)が行われますね。
男根の象徴物は太陽、女陰は月、その陰陽の力を表しています。
日本だと天照大神は女性で、月読命は男性といわれていますが、神道では元々そのシャーマニズム性により女性優位社会でした。
世界各地を見ると太陽神は男性が多いでしょう。
男根の象徴(ファルスといいますが)の神は、エジプトではオシリス(女性はイシス)、 ギリシャ神話ではパーンやヘルメス、ネイティブアメリカンではココペリ、 としてまつられています。
「性と創造は生を生み出す」と魔術では言われます。
古代人にとっての幸せとは、現代人にとってのそれとは違うのかもしれません。
現代では物質的な、金銭的な幸せを求めなければ生活ができません。
金銭的価値を生み出すことが生産に繋がりますからね。
しかし古代人にとっての幸せは「創造」そのものだったのです。
子孫繁栄していくことこそが自然的に生活していくことができる(=宇宙と一体化できる)術だったのでしょう。
その後、宗教や道徳によって性欲は抑圧されました。
人々をコントロールするのに簡単な法律は性欲と死生観だからです。
だから人々はフラストレーションを祭りに残したのではないかしら。
単なる太陽神と月(大地)の女神の交わりだけなら、農作物をお供えしていればいいのですもの。
こうして祭りと魔術に対して深く読み解き、古代人が大切にしてきた知恵や教えをまた我々の後世に遺していきたいと願います。
関連セミナー
こうした自然信仰は呪術と深い関連があり、後の宗教となりました。
その話をセミナー動画にしていますので、興味あるかたはぜひどうぞ。
初心者向け④呪術と自然信仰オンラインセミナー|黒猫魔術店 from 黒猫魔術店の魔女蜜猫 on Vimeo.