現代魔女が語る本当にあった怖い話【第六夜】

※ノンフィクション

これは魔女蜜猫が体験したことを記しております。
ホラーが苦手な方はご遠慮ください。
またこちらを動画化した作業用BGMも御座いますのでお楽しみください。※動画準備中

 

霊能力とコントロールのやり方、霊感

 

池の主

これは心霊スポットではありませんが、夜のO公園の話です。
その公園は住宅街の中にある小さな山をぐるっと囲むような形で坂道などを含むコースがあるため昼時には沢山の方がウォーキングやランニングなどをしにやって来ます。

夜は街灯が少なく真っ暗になりますがちらほらと利用する人もいます。
そして私もそのひとりでした。

 

その日は満月の夜で、梅雨時期のせいか夕方に通り雨があり路面は湿っていました。
問題なくウォーキングできると踏んでいつものようにコースを歩きました。
最初は池のある斜面、その後鳥居があり、そこから坂道を登り頂上へと行くといういつものルートです。

 

ところが何となく今日に限って妙な雰囲気があります。
おそらく池の方から…何かの視線を感じます。
動物なら目が光ったりしますが、辺りを見回しても確認できません。
満月の月明かりは結構明るいのに、です。

 

嫌な感じがして早足で歩いていると、ザワザワ…ザワザワ…と梢が擦れ合い、不気味な風が吹いてきます。
梅雨時期特有の、湿気を含んだ土の匂い。
ところが、それだけではないのです。

 

なんと表現したら良いのでしょう、血生臭い、腐った魚のような臭いがするのです。
明らかに異臭とも言える強烈な臭いだったので、誰かが道端に生ゴミでも捨てたんじゃないか?と思えるほどです。
しかし辺りを見回してみてもそんなものがあるわけがありません。

 

不思議に思ってその臭いの元を辿ってみると池の方から臭ってくる気がします。
導かれるように池の方へ下って行くと、道端に何かの内臓のようなものが散乱しており…赤黒い血塊が月明かりに照らされているではありませんか!

 

「なにこれ…さっき登ってきた時はこんなものなかったと思ったけど…」

 

その内臓らしきものを凝視することができずに目をそらすと、辺りには他にも同じような赤黒い塊があるのです!
生臭い異臭はこの辺りからだと直感しました。

 

「うわ…絶対さっきはなかったよこんなの!」

 

しかしさっきなかったものが突然出現するわけはないので、勇気を振り絞ってその塊を見てみました。
するとそれは魚で、何かの動物が食い散らかして無残にも臓物が出たものだと推測。
中には死んだばかりでまだびちびちと身を震わせるものもありました。
人間の仕業なのか、熊の仕業なのかわかりませんが気分的に気持ち悪くなって、もう帰ろうとしたその時…

 

ぺたり…ぺたり…、
ぺたり…ぺたり…、

 

濡れた地面を裸足で歩くような足音が聞こえました。
瞬間、私の体は動くこともできずに固まってしまいます。
恐怖による金縛りです。

 

(逃げなきゃ、逃げなきゃ…!)

 

ぺたり…ぺたり…、
ぺたり…ぺたり…、

 

一歩ずつ、ゆっくりとそれは近づきます。

 

(見てはいけない。食事の邪魔をしてはいけない!)

 

私は何故か直感的にそう思い、ひたすら「ごめんなさい」と「邪魔はしません」ということを祈り続けました。
目を閉じたかったのですが金縛りで閉じることができないので目線を下に向けていました。
すると、ぺたり、ぺたりという足音は私の目の前で止まったのです。

 

その足は、足ではなく、魚類のヒレでした。
まるで魚の尾びれを二つに割ったような形状です。
私はそれを見て恐怖しかありません。

 

「っ……っ!!」

 

声を上げることも震えることもできない私に、目の前にいるおそらく「魚のような何か」はフッーッと息を吹きかけました。
私はそれで意識が遠のき、気絶しました。

 

どのくらい時間が経ったでしょうか?
私がようやく目を覚ました時、まだ辺りは真っ暗でした。
しかしあの異臭はなく、死骸や臓物も綺麗さっぱりなくなっていました。

 

あれが何だったのか、未だにわかりません。
池の主だったのでしょうか。

 

バドミントン

 

これも前回と同じく、O公園で体験した不思議な話です。
O公園は小さな山になっていて、頂上までいくと開けた平地のスペースがあります。
子供の頃、私はよくここで友人とバドミントンをして遊びました。

 

ある日、いつものように午後からO公園の頂上でバドミントンをして遊び、だいたい疲れ果てた3時頃に私たちは下山しました。
友達とお喋りしながら時間が過ぎ、5時頃になってバドミントンのシャトルがないことに気付きました。

 

「あー、公園に忘れてきたかな?  私ちょっと見てくるね。」

 

私は友人達と別れて、ひとりで公園へ向かいました。
夏だったのでまだ明るいから平気だろうと考えましたが、公園は不気味なほど薄暗いのです。
ビクビクしながら小走りで頂上まで登って行くと時刻は6時頃でした。

 

シャトルを探すために、先ほど自分達がバドミントンをした辺りに近づいて行くと、

 

パーン、パーン… ポーン、ポーン…

 

どうやら誰かがバドミントンをしているようです。
もう辺りは薄暗いのに、こんな時間によくできるなと思いながらその様子を見てみると驚きました。

 

そこには誰もいないのです!

 

誰もいないのに、シャトルだけが行ったり来たり…空中を行き来しています。
しかもガットに当たる音を確かに響かせながら…。

 

私は全身の血の気がサーッと引いて行くのを感じました。

 

(また見てしまった。あれはたぶん霊だ。見えないけど。)

 

ちょうど山の逢魔時。
何者の霊なのかはわかりませんが、こちらに気付かないし悪い感じもなく、むしろ楽しそうに見えて。
私はそっとその場を立ち去りました。

 

大急ぎで家に帰り祖母にわけを話すと、祖母は一言、「害のない無邪気な奴らさ。放っておきな。」と言いました。

 

「どうして姿が見えないの?」
「それは、お前には姿を見せる必要がなかったからだよ。よくあることさ。」

 

それを聞いて、姿を見せる必要がないならやっぱり逃げ帰って正解だったと思いました。

 

その後、私のシャトルは見つかりませんでした。
聞いた話では、あの公園ではよく物が紛失するそうです。
野球ボールや縄跳び、トランプなど、子供が遊ぶ道具が特に多いようです。
皆さんも山で遊ぶ時には、紛失してもいい覚悟で持って行きましょう。

 

百鬼夜行

 

皆さんは百鬼夜行を見たことがあるでしょうか?
百鬼夜行とは妖怪や霊達が夜中に行列をなして歩く光景ですが、私は子供の頃に一度だけ見たことがあります。

 

その日は季節外れの大雨が降り続き、家の前の道路では側溝の水が溢れて洪水になりました。
幼い私はその様子を見て不謹慎にもワクワクしていました。

 

夜になっても大雨は止まず、私は寝付けずにいたところに窓に映る外の灯りがポゥッと強くぼやけ、ユラユラと動き出しました。
私はびっくりして飛び起きて窓から外を眺めると、あの洪水の道路が灯りで光っています。

 

よく見てみるとそれはただの灯りではなく、黒いものや白いものや、おそらく透明であるものが、杖の先に灯りをつけて、あの洪水の水の上をのろのろと歩いているのです!
私は思わず窓から頭を引っ込めました。

 

どう考えてみても人ではない。
水の上を人は歩けないし、黒や白の変な形に見えない。
そう考えがまとまってすぐに祖母の所へ走りました。

 

祖母の部屋では祖母も同じように窓の外を眺めていました。
「お前も見たかい? 綺麗だね。」
祖母はびっくりする様子もなく落ち着いていました。
「あれは何?」
「あれは百鬼夜行さ、ここでもまだ見られるとはね。」

 

聞くと祖母も昔実家で百鬼夜行を見たことがあるそうです。
その時に祖母の祖母から、自然が豊かな所でしか見れないものだと教えられたそうです。

 

「その時も大雨で川が氾濫しそうになった夜だった。こんな奴らが川の方へ歩いて行くのさ。」
「川で何かするの?」
「さあ…何をするんだろうね?  神様でも鎮めるんだろうか。奴らの風習のようなものなのかもしれないね。」

 

川まで行って見てみたいと思いましたが現実的に危険なのでやめました。
本当にそんな風習があるのだとしたら、川が氾濫しないのは目に見えないものどものお陰ですね。

 

その後、大人になってからたまにそんな大雨が降る時があります。
先日も家の前の道路が、あの時のように洪水になりましたが、残念ながら百鬼夜行を見ていません。

自然環境が変わったせいで百鬼夜行が行われない地域が増えているのだろうな…と思わずにはいられません。
でも私たちはたまたま洪水の時に見ることができただけで、他の地域は違うかもしれないし、もしかしたら普段から百鬼夜行というお祭りがあるのだろうと、何となく感じます。

 

また何かの機会にあの美しい行列を見ることができたらなあ、と思います。

 

あしおどさん

 

これは私がまだ小学生の時の話です。
当時、学校から帰ると祖母と一緒にテレビを見ながら茶の間で過ごすことが常でした。
寒い冬の夕方、決まって廊下から不思議な物音が聞こえてきます。

 

自宅の廊下は、玄関から一直線に続く細長い作りで、茶の間とはその中央あたりに引き戸で接しています。
その廊下をドタドタドタ…と大きな足音で走って行く音が聞こえるのです。
これは私も祖母も何度か聞いており、その度に目を見合わせ首をかしげます。

 

冬は、戸は閉めているので廊下の様子はわかりません。
最初は屋根に積もった雪が落ちる音かと思いました。
でも似ていますが違います。
なぜならその足音は、スリッパを履いているかのような響きのある音なのです。
しかも冬なのでよく響きます。

 

私と祖母はこれを「あしおどさん」と呼んでいました。

 

「あれ?今、あしおどさんいたよね?」
「今年もあしおどさん来たね。」
などという会話をするのですが、私たちはあしおどさんの正体を知りません。

 

家の廊下に来る目に見えないものどもの中でも、あしおどさんは無害だったので邪魔せず放っておこうというのが私たちの見解でした
冬になると毎年あしおどさんの音がするので、家の風物詩と化していました。

 

そして今でもあしおどさんは家にいるみたいです。
皆さんの家でももしかしたらいるかもしれません。
冬の空気が冷えてしんと静まった夕方頃に耳を澄ませてみてください。

 

ここで降ります

 

私は仕事柄、あちこちの山へ行って霊や民俗学などを調べることが好きなのですが、山は一歩間違うと命に関わることになります。
これは私がまだ20代だった頃の話です。
私は友人たちと心霊スポットと言われるとある山の中で霊や道祖神などを調べていました。

 

調べ物はすんなり終わりもう帰る頃には夕方でした。
友人たちと車に乗って下山しようとした時、誰からともなく「近道をしよう。」という話になりました。

 

その山には旧道があって、そこを通れば早く麓に着けるとのこと。
旧道といういつもと違う道にテンションが上がって皆賛成しました。
しかし旧道は新道とあまり変わらず、やや狭く草が多いというだけの道でした。

 

「なんだ、何もないじゃん。」と期待外れに文句を垂れていると、しばらくの後、古いトンネルを見つけました。
トンネルは、長方形の石を積んでできた昔ながらの作りのもので、街灯はなく、車一台が通れるのがやっとの幅です。
それなのに光の加減からすると、おそらく向こうの出口まで結構距離がありそうです。

 

「え? ここはちょっとヤバイ感じ。何かいる。」
と私は言いましたが、友人たちはやっと期待通りの展開を待ってましたとばかりにトンネルへ進みました。

 

暗いトンネルの中はひんやりと冷たいのか、フロントガラスには上からポタポタと水滴が落ちて来ます。
「うわ~、雰囲気あるね。」
「狭くて暗いトンネルって何かいそうだよね。」
などと友人たちは呑気に会話していますが、私は悪寒と震えが止まらず、早くトンネルから抜けろ、抜けろと必死に念じていました。

 

「ねえ、何か見える?」
と友人たちは聞いてきます。私は呆れ気味に苛立って、
「それより早く出口まで……ひゃあっ!」

 

私はそう言いながら後部座席の友人を振り返ると、そこには中央に黙って座ったままの女が乗っています!
服装は昭和風の花柄のワンピースで、肩程まである黒い髪。
俯いているので表情はわかりません。

 

私はすぐに前に向き直りどうしたものかと考えました。
乗ってきてるということは最低でも浮遊霊ではないので、土地に縛られた地縛霊…だとしたらまずトンネルを抜けることが最優先です。

 

「え?何?今の声、さてはなんか見たな~!」
という友人を無言で牽制してしばらくすると、車はトンネルの出口から抜け林道を走ります。
私はおそるおそる再度振り返ってみるとその女はまだ後部座席に乗っています。

 

(ただの地縛霊じゃない。このまま放置すると憑依しそうだけど会話すると最後まで面倒見なきゃだし、干渉するのも良くないし、どうしようかな…。)

 

と冷静に考えながらまたしばらく放置していると、煩かった友人が気持ち悪そうにして外を眺めています。
そりゃあ、隣にこんな美人さんが乗っているから仕方ありません。
そして車はやっと新道に辿り着きました。
ほっと安堵の息をついた、その時。

 

「ワタ、シ、ココデ、オリ、マス……」

 

というしゃがれた低い声がして振り返ってみると女はもういません。
代わりに新道の道端に佇んでいる姿が、車のサイドミラー越しに見えます。

 

あの女の霊は、旧道のトンネルに縛られていて抜け出したかったのかもしれません。
後日談ですが、あの後この旧道を探してもなぜか見つからないのです。
現実的に閉鎖されたのか、それとも不思議な力が働いているのか定かではありませんが、近くへ行って探しても全く見つからない。

 

まさかあの時、私たちはあの女に呼ばれたのでしょうか。
ともあれ山中での行動は好奇心だけではなく、礼節が必要なのだと改めて思い知りました。

「こちらから必要以上に関わりに行ってはいけない」

それが暗黙のルールのような気がします…。

 

 

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