白い犬と祈りの不思議
バリ島の東、カランガッサム県ランプヤン山にある天空の寺院、光の神様イスワラ神を祀る、ランプヤン寺院。
今回は中腹の寺院までお参りすることができましたが、道中不思議だらけ!
2018年11月に魔女蜜猫がインドネシアのバリ島にて、瞑想・祈り・断食などの修行を行いました。
天空の寺院、ランプヤン寺院
インドネシアのバリ島で神聖な御山とされるうちのひとつ、ランプヤン山(標高1174m)にある、ランプヤン寺院。
ここは、バリヒンドゥー教なら一生に一度、熱心な教徒なら一年に一度は参拝すると良いとされる、最も位の高い寺院のうちのひとつです。
山頂に点在する8つの寺院を総称してランプヤン寺院と呼んでいます。
ランプヤン寺院は光の神様であるイスワラ神を祀っています。
天空の寺院というだけあって、その素晴らしい絶景に息をのむほど。
2世紀頃バリ島に文明をもたらすため、当時のジャワ島の王様がみっつの御山に息子を使いに出しました。
ランプヤン山で瞑想した王子(ヒャングニジャヤ)は、きっと天空の光を見たのかもしれません。
他の御山(アグン山とバトゥール山)で瞑想した王子の成果とあわせて、ここからバリヒンドゥーは生まれたそうです。
ランプヤン寺院は、ガイドブックには11世紀頃に建てられた、と載っていますが、9世紀にはあったという説もあります。
また今回の修行でお世話になったバリ島民の先生曰く、6世紀と言います。
正確な時代は定かではありませんが、11世紀頃に建てられた寺院が多い中で、それよりももっと古いであろうことはわかりました。
パナタラン・アグン寺院
ホテルをとったウブドから車で約2時間。島の東部、ランプヤン山へ向かいます。
一般の駐車場から、軽トラをジープ化した車(本当にこの表現が合っていると思います笑)に乗り換えて、パナタラン・アグン寺院に到着。
※近年、地元民の仕事を増やす目的で車の乗り換えが条例化されました。
礼拝のためのサルン(腰布・レンタル)を巻いてお参りします。
バリ島のシーズンは乾季である4~10月なので少し観光客は減っているとは思いきや結構な人…!
麓の寺院は駐車場から上り坂徒歩5分程で行けるので人気なのですね。
観光客を並ばせてひとりずつ写真を撮る仕事をしている現地民の若者に逞しさを感じました。
この寺院の細かい彫り細工や古い感じが好きです。
この日は雨が降りそうで降らない重たい雲が多めですが、それもまた妖艶さがあってガイドブックの青空背景より好きかも。
両サイドの階段は人間が入れますが、中央は神様の道なので入れません。
私は左側の階段を上って撮ったのがこちら。
まさに「天空の寺院」と呼ぶに相応しい絶景!!
※ここ、まだ麓です!
やっぱり神様は御山の一番高いところにいて、私たちを見てくださっているんだな、と小さい頃に日本むかしばなしで教訓とした話を思い出します。
白い犬の導き
観光目的だったらここまでなのですが、ヒンドゥー教徒や参拝者はもっと上まで行きます。
パナタラン・アグン寺院から急な上り坂(舗装された山道)を気温27℃位(11月)の中、登っていきます。
白い犬がずっとついてきます。
犬は元気にとことこ登って行くのに比べ、人間は遅いですから時間がかかります。
それを待ってるんです。
人間が追いつくと、また登って行きます。
「犬、案内してるね」と先生は仰いました。※先生は日本語ぺらぺらです。
よく見ると犬は皮膚病が酷い野良犬で、食べ物を探しながら歩いているようでした。
※特にアジア圏では感染症の恐れがあるため動物にみだりに触ってはいけません。
しかしこの犬はとても賢く大人しく(というかバリ島の犬はすごく大人しい)、吠えたり噛みつこうとしたり、じゃれたりしません。
一定の距離を保ち、人間にぶつからないように歩いています。
不思議な犬だなぁ。しかも後から見返したらこの白い犬、誰の写真の一枚にすら写っていないのです。
被写体を避けるなんてまた不思議!
猿やリス、ニワトリ、植物たちに会う
その他にも登山の道中様々な動物に会いました。
日本で登山してもほんのわずか1メートル位の距離まで動物が近づくことは少ないと思うのですが、バリ島では近い近い!
手が届きそうなところまで、鳥や動物が来てくれます。
でもやはり一定の距離以上は近づいてこないので、賢いな~と思うのです。
今回は猿やリス、ニワトリに出会いました。
木の上に巣を作るアリもいました。
参拝は全てを受け入れる
よく心臓破りの坂道なんて言いますが、私の場合は日常が車移動で特別なスポーツもしていない…
そんな人にはちょっときつい上り坂ですね。きっと都会の人は大丈夫。
でも、先生が言うには、参拝中は「きつい、大変、無理」という言葉を発してはならないそうです。
つまりこの山登り自体が神様にまみえるための「参拝」。
日本にも山岳信仰や修験道など、同じ考え方がありますね。
昔、修験道をした時に「うけたもう」という言葉しか言ってはならないと教えられたことがあります。
つまり「受け入れる」だけ。
後述記事で書きますが、実は私の体調が出国する約1週間前位から悪かったのです。
それを見兼ねてか山道の途中、先生が前方の坂に向かってスピリット(自然霊)にお願いをして、楽に登れるように施して頂きました。
私の体に触れたのではありませんよ、前方の坂の空間に向かって、です。
そうすると、息が楽になって涼しくなってきたのです。
後から聞いた話だとバリ島民は、「大きな行事や参拝で多少のトラブルや心配事があっても、お祈りすれば神様が助けてくれる」と信じているようです。
何かにつけて運がいい私も、その感覚わかります。
だから因果応報を信じていて、悪いことはせず言わず、良いことをしていると何かの偶然的な力が助けてくれるというやつですね。
これはとても不思議な感じでした。
トゥラガ・マス寺院
坂道を登って中腹のトゥラガ・マス寺院に到着。
これより上は1700段ある階段を登り頂上まで行くのですが、その前にこちらで道中安全のお祈りをするのだそうです。
8月にあったお祭りの名残でこのような傘が飾られています。
このお祭りのために村人が手作りする特別な傘で、それぞれの色や形に意味があるそうです。
色に意味があるのは西洋魔術と同じですね。
また祭壇の奥はとても神聖で立ち入り禁止だったのですが、蓮の葉の上に大きなカエルが沢山いました!
動物が神様に近いところにいるなんて素敵ですね。
ここ、スピリットが集まっています。↓
白い犬も一緒についてきてくれました。
しかし私の体調が限界でこれ以上は登れないと判断し下山することに。
ついには頂上までは行けなかったのですが、この中腹のエネルギーだけでもかなりのものです。
先生は「また来るということだ、神様歓迎してる」と言いながら、白い犬にパンを与えました。
頂上まで登ったらとても良いものを持ち帰れるそうです。
先生と蜜猫の瞑想(後日談)
観光客があんなに沢山いるところ、そして山道を歩く人もいた中で私たちにだけついてきたあの犬には特別な意味があったようです。
また次回があるようなので、その時は1日かけてゆっくりでも頂上まで登ろうと思います。
私はその後の瞑想で、天空をかける雲に乗った神様を見ました。
大きな神様はきっと私たちを歓迎してくれていると思います。
次にお参りするまでに、教えて戴いた瞑想、祈りをきちんと復習して頂上でできるようにしておくことが課題かな。
皆さんもランプヤン寺院にぜひ参拝してみてください。とても強いエネルギーですよ。