岩手県八幡平市にある「松尾鉱山跡地」。
昔は鉱山として栄えていましたが現在は廃墟となっており、心霊スポットとの噂もあります。
無類の廃墟好きの血も騒ぐし、本当に心霊スポットなのかどうなのかも、私、気になります!!
今宵はこの松尾鉱山跡地へ魔女が行ってみた話。
松尾鉱山って?
19世紀に盛んだった硫黄鉱山。
だが近代化が進むにつれて硫黄の需要がなくなり鉱山が閉山、全従業員は解雇されたという記録が残っています。
日本の多くの鉱山でもそうですが、朝鮮人労働者を多く宿舎に住まわせて仕事をしていたようです。
福利厚生のために日本人も朝鮮人も公団施設に入り、学校・病院なども併設され「楽園」と呼ばれていた時代もありましたが、今は廃墟が残るのみです。
魔女、白樺の群生林を見つける
なんということでしょう!!
この見渡す限りの白樺(バーチ)の群生林!
まるで、シラカバタケ!!!(テンションが上がる)
やはり寒い所がお好きな白樺さん。
標高がこのくらいよりも上はほぼ全部白樺でしたよ、この山!
松尾鉱山跡地、道路沿いに発見
さらに先へ進み、道路沿いに突如現れる廃墟…これが松尾鉱山の跡地か。
敷地内は立ち入り禁止のため、道路から見ています。
廃墟も白樺みたいに群生しているのですね、こんなに何棟も連なっている廃墟も珍しいと思いながら、実際の空気感は山の気配しか感じ取ることができません。
特に嫌な感じもしないですし、誰かの視線があるとか、そんなのもなかったなあ。
どちらかと言えば山奥でもありますし、「虚無感」「空虚感」という言葉の方が近い気がします。
時代が置き去りにされた、そんな哀愁すらあります。
訪れたのはちょうど逢魔が時(夕暮れ)。
なのでもし霊的に何かあるようなら感じるのですけどね。
なーんだ、やっぱり心霊スポットという噂は、山奥であるとか廃墟に対する無意識の畏怖から来るのかな?
…と思っていた時が私にもありました。
その日の夜、夢を見た
ところがその日の夜に私は同行者がいる目の前で奇怪なことを口走ったというのです。
あいや、奇怪なことに長ける口ではありますけれども、なんとも不思議なことを言ったのだそうです。
それは夜も更け、もう皆が夢うつつとして眠りに落ちる頃でした。
私は寝ぼけながら(おそらく寝ていました)こう言ったそうです。
「あの廃墟はまるで病院のようだ。
しかも緑色や紫色、濁った黄色の、人間とは思えない風貌の人達が外に出られないようになっている。
あの人達は皆、何かの中毒を起こしている。
それを隠そうとしている人達もいる。
何人も閉じ込められていて、隔離病棟みたい。
あそこに入ってはだめだ。入らなくてよかったね。」
中毒患者が本当にいた
それを聞いた同行者がその場で調べた所、wikiには本当に中毒患者が多数いたことが書かれてあったそうです。
しかし、硫黄精錬で出る煙によって、土壌が強い酸性になり、鉱山跡地と製錬所跡は草が生えない荒地になった。(中略)
廃坑から流出する排水(鉱毒水)はヒ素を含むpH2前後の強酸性となっており、また、毎分17~24トンと多量なため下流の北上川の水質や生態系に影響を与えることから中和施設が建設された。
排水が岩手県下の北上川流域・支流はもとより、宮城県北部、北東北の太平洋沿岸に多大な影響を与える事が予想され、2010年代に入ってからも24時間体制で稼働を続けているが、年間5億数千万円の処理費用は岩手県にとって大きな負担となっている。 (中略)
鉱毒水は非常に澄んでおり、口に含むと血液と同等かそれ以上の鉄臭さが広がる。
処理前の鉱毒水のヒ素濃度は低く、致死量に達するまでには100リットル単位の未処理水を摂取する必要がある。
(Wikipediaより引用)
勿論私はそんな細かい情報までは知りませんし、夢に見た映像はぼんやり記憶していますが、それを話していたことは記憶にありません(笑)。
うーん、こんなことってあるんですねー。
とりあえず、本当かどうかは置いておいても、あの場所、敷地内には絶対に入らない方が良さそう(そもそも立ち入り禁止ですしね)。
歴史を知ることは魔術に必要な要素
果たして心霊スポットなのか、本当に霊がいてもいなくても、このような歴史の重みがあるからこそ噂になったり語り継がれるのだと思うのです。
その土地や先祖など歴史を辿り知ることは、魔術にとって非常に重要な要素です。
なぜなら、「元を辿る」という行為は「源」を辿っていくことだからです。
哲学者たちは常に、「世界とは何か」の問答の中で「自分(人)とは何か」を探してきました。
アインシュタインが相対性理論を説き、この世が移り変わる不確かなもので、自分と他人がいなければ測ることができない粗悪な世の中であるのに、多くの人達はその中に「安定・日常」を求めます。
しかし小学生の歴史の授業で知るように、「兵どもの夢のあと」。
歴史は変化し、文明はいつか滅び、人は必ず死にます。
歴史を知ることは自分が生まれ持った意味や、その根源たるやを垣間見させてくれます。
また歴史の流れを知ることで、この世に変化がないものはない、という当たり前のルールを教えてくれます。
私たちは立ち止まったり、留まったり、執着してはいけないということを。
これは魔術を行う上で、とても大事な教えです。
ぜひ皆さんもご興味のあるところから歴史にまつわる所を調べてみるのはいかがでしょうか。