岩手県一関市にある鍾乳洞、「幽玄洞」。
地殻変動し隆起した石灰岩層が美しい鍾乳洞で、3億5千万年前の化石がみられます。地底湖も美しい!
また洞窟内の諸行無常の水月観音様にお会いしたく行ってまいりました!
幽玄洞の入り口で不思議な光
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受付から歩くこと1分程。階段と山道を登って行くと幽玄洞の入り口が現れます。
幽玄洞の入り口で写真を撮ったら綺麗な光が写り込みました。
なんだかこの山、独特なスピリット(精霊)がいるなと感じていたので、どうやら歓迎されているようで嬉しいな。
幽玄洞の地層は古くは浅い海
幽玄洞では3億5千万年前の化石がみられます。
特にウミユリの化石は、日本の岩盤上では初めて発見されたそうです。
幽玄洞内にはウミユリのガクの化石などが展示されいていました。
- ウミユリ
- 三葉虫の化石の完全体
- フズリナ
- 古代サンゴ
つまりこのような生物の死骸が堆積してできた石灰岩層です。
隆起して断層が縦になった!
幽玄洞の洞内では断層を見ることができます。
断層を見ることでどのような地層的変化があったのかを知ることができます。
このように黒い硬い岩石と白い石灰層が縦になっています。
ふつう地層は水平に堆積していきますが、ここは地殻変動で縦になったということです。
洞内もそうですが、このあたりの地層は縦になっているようですね。
洞内の外もやっぱり縦。
そして対岸の絶壁も縦(斜め)になっています。
幽玄洞は道が狭い・独特の香り
ところで幽玄洞内はとても道が狭いです。
人ひとり分通るのでいっぱい。すれ違う(順路的にそれはありませんが)ことはできないような道幅です。
天井も狭く、すぐ手を伸ばせば鍾乳石に触れることができます。
頭も低くして通るような感じです。
そんな狭い道で空気の流れが悪いのか、幽玄洞内は独特の香りが漂っています。
カルシウムが濃いのか? ただ水っぽい匂いなのか?
わかりませんが他の鍾乳洞では味わうことができないような洞窟の香りがします。
そして澄んだ地底湖。
少しグリーンがかっているようにも見えますね。
心を映し出してしまうかのような透明感ですね。
近くに観音霊山(東山観音窟)
古くは隠れキリシタンの信仰の洞窟といわれた「東山観音窟」にはマリア観音様がいらっしゃいます。
こちらにも幽玄洞と同じフローストーンが見られます。
観音様、そうです、幽玄洞内にいらっしゃる観音様、とっても素敵なんです!
幽玄洞には水月観音
実は私は幽玄洞にいらっしゃるという水月観音様にお会いしたかったのです。
水月観音様は、水の流れや月の満ち欠けのように、この世の移ろいゆく様「諸行無常」を象徴しています。
つまり自然や生き物、全てがみな変化変容していき、何一つ永遠に存続したり、安定したりすることはない。
そんな教えを説いてくださいます。
先日何気なく観音カード(オラクルカードです)を引いてみたら水月観音様が出たのです。
タロットカードでいうところの死神様。
私はこの変化変容というのが大好きです。
水面は自分の心を反映させ、不安な時は照らされた月も見えないし、自信がある時ははっきりと見えるものです。
水面に飛び込む時、必ず波紋が生まれます。
それは変化には不安がつきものだということです。
ですが私、肝が据わっているのか、水面の下に何があるのかとか、どんな生き物に出会えるのかという好奇心の方が強すぎでして…。
好奇心は身を亡ぼすともいいますし、このカードが出た時、私は水月観音様が呼んでいるのかと思ったものです。
水月観音様の麗しいお姿
そしてついにお会いすることができました。
幽玄洞の水月観音様は鍾乳石の小さな棚に鎮座しておりました。
小ぶりですが、なんとも麗しいお姿です。
そんな水月観音様にご挨拶した時、こんな言葉を戴きました。
月も水も、どちらも感情や愛情、人間そのものを表しますが、移ろいゆく人間の感情など悩んでも仕方ないと。
それよりも大事な人や時間に愛情を注ぐことをしなさい。
これは別に霊視とかそういうのじゃないですよ。
水月観音様とお会いして純粋に思った私のイメージです。
なんとなく無意識下で思ったことが出てきたのだと思いますが、こうしてご参拝することで自分と向き合うということは本質的なことだと思うんです。
鍾乳洞は石灰岩層にできる神秘
そもそも鍾乳洞はどのようにできるか知っていますか?
鍾乳洞はあたたかい海の近くの石灰岩層にできることが多いのです。
鍾乳洞を胚胎する石灰岩の地層はサンゴ礁などが発達する暖かい海で、石灰質の殻や骨格をもった生物の遺骸などが海底に厚く堆積することによってできたものである。
一般の岩石と異なり、主成分が炭酸カルシウムからなる石灰岩は、酸性の溶液に溶解する化学的性質をもつ。
石灰岩が地殻変動によって地上に隆起すると、二酸化炭素を含む弱酸性の雨水や地下水による侵食(溶食)が始まる。
このような侵食(溶食)によって石灰岩体の内部に多くの空洞(洞窟)が生じる。
石灰岩中の微細な割れ目等を満たした地下水(炭酸カルシウムが多量に溶解している)が洞窟内に滲出すると、二酸化炭素を含む水と炭酸カルシウムとの化学反応が可逆的であることから、逆に炭酸カルシウムが方解石として晶出を始め、沈積して鍾乳石等の洞窟生成物が発達する。
こうして洞窟内が装飾されるようになった洞窟を鍾乳洞という。(Wikipediaより引用)
炭酸カルシウムはカルサイト(方解石)という鉱物ですね。
二酸化炭素もカルシウムも人間にとって身近な成分です。
石灰岩層が生物の遺骸でできているのでそれも頷けますよね。
鍾乳洞を訪れる度、私は人間も他の生物もみんな同じなんだなとしみじみ感じます。
皆さんもぜひ大地や断層、鉱物を通して生物や命を体感してみてくださいね。