鉱山へお勉強しに行きました!
今回は、鉱物の研究のお話。
黒猫魔術店は、魔女の知識と教えを後世に伝え遺すこと、 眉唾ないわれのものの研究を主な仕事としている、魔術研究機関です。
故にしばしば鉱山や博物館へ出向き、知識をつけ日々研究の糧としております。
今回、蜜猫は秋田県にある尾去沢鉱山跡地へ研修にいきました。
ここは、708年からあったとされる鉱山で、1978年に閉山し史跡として見学できる施設になっています。
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尾去沢鉱山
尾去沢鉱山について少し解説すると、 熱水型鉱床というでき方で、鉱物が溶け込んだ熱水が岩盤の割れ目に染み入り地表近くまで押し上げられ冷え、結晶化します。
鉱脈ではこの熱水鉱床がよく起きます。
地下から押し上げられる熱水の中に含まれる元素としては、金、銀、銅、鉛、亜鉛などです。
塊状になって算出され、それら元素を含む硫化物であることが多いです。
閃亜鉛鉱(ZnS)、方鉛鉱(PbS)、黄銅鉱(CuFeS2)など。
もう一つは、鉱脈型鉱床というもので、 マグマが地下の亀裂に入り固まってできた細い脈状のものです。
ここから岩肌に見えたやつを挙げていきます。
(写真は暗すぎて全くだめでした涙)
地下に黄銅鉱が飾られていました。
ケイ酸塩鉱物以外
元素鉱物
┣自然銅(カッパー)Cu
硫化鉱物
┣黄鉄鉱 (パイライト)FeS2
┣黄銅鉱 (キャルコパイライト)CuFeS2
┣方鉛鉱 (ガレナ)PbS
┗閃亜鉛鉱(シャレライト)(Zn,Fe)S
硫酸塩鉱物
┣硫酸鉛鉱(エンジェルサイト)PbSO4
酸化鉱物
┗赤鉄鉱(ヘマタイト)Fe2O3
あとは展示にアズライトやロードクロサイトもありました。
自然の偉大な物語
尾去沢鉱山の坑道内は一般開放されており、中を歩いて見ることができます。
石に詳しい人なら、坑道内で上記のような石の跡を発見し楽しむことができます。
FFシリーズのRPGでこんな景色見たぞと思うくらいのファンタジー感、 すぐそこにごつごつした岩肌があって触れて楽しめるわくわく感。
茶色の岩肌に所々パイライトで光ったり、緑泥石の緑があったり、平均化されない自然の物語を感じることができます。
「平均化されない」と書いたのは、対して人間社会が平均化されていく中で、 大自然(この場合は地下大地ですが)の中に放り込まれると「ああ、これでいいのいか」と思えてきます。
ここには硫化鉱物があって、ここには酸化鉱物があって…
鉄や銅がひしめき、一体となり、私たちを下から支えてくれているのです。
どんなに掘削し、深くまで掘られ抉られても、負けることなくです。
閉山してからも、鉛などの重金属が排水として出続けているのに、この御山は私たちを快く出迎えてくれます。
大いなる母、大地の女神、という言葉として認識しているものが、ここではリアルに映ります。
その女性は、この岩肌のようにきちんとネガティヴな側面も持ち合わせておりました。
感覚的な表現では、「力を感じる」とか、「生きてる感じがする」ということになるのでしょうが、私は魔女ですので、魔女的解釈をおこないますね。
霊場となっている坑道は魂の通り道
古くからある鉱山ですから、事故が多かったのでしょう、一般公開されていない方からは霊魂の気配を感じます。
(1936年にダム決壊事故により300人以上死んでいるそうです)
蜜猫は廃墟マニアで心霊調査のお仕事も承っているのですが、坑道内は地下で寒く、真っ暗ですし、湿気でじめじめしています。
掘削した穴が縦横無尽にありますので、母体の産道にみたてて霊魂が巡って生まれ変わろうとしているのかもしれません。
所謂「霊場(れいば)」と化しています。それはポジティヴでもネガティヴでもなく。
こういった場所で必ず私が思うのは、カバラにおける生命の樹に構図が似ているということです。
生命の樹では、王国―マルクトで生まれた私たちが、小径(パス)という道を通って最終教義である王冠―ケテルまで辿り着くことを目的としています。
(ケテルまで行ったらまたマルクトへ戻りますが)
この道は22階層あり(ヨハネの黙示録も22章)、経ることによって救世主の再誕(新しい生まれ変わり=成長=意識変容)を向かえます。
「大自然が素晴らしい」と皆口をそろえて仰いますが、それはおそらく無意識的にこのカバラを感じ取っているのではないでしょうか。
カバラはこの世界の真理です。魂は真理へ近づきたいと願っています。
人間社会に揉まれた時、自然に還りたくなるように、 または死期が近づき、自然に還るようにです。
その鉱物(石)は本物?
さて、そんな魔術的解釈も大事ですが、毒舌魔女からも一言。
このように自然が何万年もかけて化学反応を繰り返し育て上げた鉱物です。
あなたの持っているその石は、本物ですか?
工場で作られたものにパワーがあるなんちゃらと言われて買ったものではありませんか?
パワーストーンだとして身に着けるなら、せめて石の出来方をご存知ですか?
化学組成式はご存知ですか?
本当に本当に、大地の女神のパワーを取り入れて、願いを叶えたいとするならば
あなたを支えてくれるであろうその石について知識を持つのもいいもんですよ?
寧ろ、助けてくれる者のことを知らずして本当に助けてくださるのか?
そりゃ自分勝手じゃないですかねえ?
大地(地球)のエネルギーと私たち人間のエネルギーは同じです。
大地に風穴あけて綺麗な石を取り出してんです、それはご自分の体に風穴あけてんのと一緒なんですよ?
常々言っていることですが、石にパワーがあるわけではありません。
生きてる人間のエネルギーと同位体である石が、願掛けのエネルギーに反応しているのです。
パワーストーンとかって崇拝するのをお止めなさい。
どうせ崇拝するなら、その石を掘るために風穴あけた大地に感謝を捧げた方が何倍もいいですよ。
感謝すれば引き寄せも効率よく働きますしね。
何かに縋りたい気持ちは解らなくもありません。
誰だって神や見えない力に縋りたくなる時があります。
しかし残念ながら、自分以外の力で未来を切り開いていくことはできません。
もしできるなら、神を信じた皆が平等に救われてもいいはずです。(ある意味信じた者は救われるのでしょうが)
魔術は救いを与えるものではない
私たちが研究する魔術は、救いを与えることを目的としていません。
救いが欲しいなら社寺仏閣でお守りでも買ってください。
魔術は、より現実的で、実際に願いを叶えるために施す術なのです。
本当に願いを叶えたい、そんな願いがある時とは、叶うなら何でも努力すると思うんです。
努力もしないで、叶ったらいいやと思っていれば叶うはずがありません。(と思うのが普通ですよね?)
明日でいいや、と先延ばしにすれば、叶うものも先延ばしになるに決まっています。
私たちは本当に本当に叶えたい願いがある時、必死になれるのです。
文字のごとく、死ぬ思いをしたって平気なのです。
「少し休めば?」「ちゃんと寝てください」とよく言われますが、私の願いは必死なのですよ。
そんな生き方は時間に追われているようで嫌だと言う人もいます。
しかし私は、体がまだ動くうちに、脳が正常であるうちに、やっておきたいことが沢山あるのです。
物質界で生きる私たちは肉体が朽ちれば生命活動はできなくなりますから時間は有限です。
勿論死んだ後に、霊体としてやりたいことも沢山ありますけれど。
鉱物(石)を崇拝するのではなく、大地に感謝
話が逸れましたが、きちんと大地の産物に向き合い、その成り立ちを知ることそれはある意味感謝でもあります。
仏像のようにただ崇拝するだけでは、なんの力もありません。
精神的に救われるだけでしょう。
しかし魔術をおこなう魔女たちの石への興味は、崇拝ではないということです。
もっと現実的に意味合いを持たせて日常使いをしています。そう、願いを叶えるためにです。
そしてきちんと占星術と石の化学式を鑑みて作る魔術ブレスは各々願掛けしてから着用してください。 そうでなければただのアクセサリーです。
せっかくの叶えたい願い、よりリアルに近づけてください。
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